就活TVをご覧の皆様、初めまして。
岡山東税務署で勤務している、星埜と申します。
就活に関するコラムということですが、私は学生時代、公務員試験のみ受験し、民間企業の就職活動の経験はありませんので、公務員試験に関するお話をさせていただきます。
このコラムが、いま公務員試験を目指して勉強中の方や今後公務員試験の勉強を始ようと思っている方に少しでもお役に立てば幸いです。
【公務員試験の勉強を始めたきっかけ】
まず、私は仲の良い友人が通っていた大学の公務員講座を受講するから、という理由で、公務員試験の勉強を2回生の冬か、3回生になった春頃から始めました。
私は法学部に在学しており、友人の中には「将来は弁護士になりたい」とか「検察官になりたい」といった目標を、早い段階から持っている友人もいました。
一方、私はというと、自分の将来について、漠然とした不安は抱きながらも、将来のことを真面目に考えることもなく、ただ何となく学生生活を送っていました。
そんな時に、仲の良い友人が公務員講座を受講することを聞き、「今のところ将来やりたい仕事も思いつかないし、とりあえず」という気持ちで、一緒に公務員講座を受講することにし、公務員試験の勉強を始めました。

【公務員試験について】
公務員試験と一口に言っても、その中には地方公務員と国家公務員があり、また国家公務員の中には、国家公務員総合職、国家公務員一般職、国家専門職(国税専門官は国家専門職の中の1つ)などがあります。
しかし、どの試験も範囲や難易度の違いはあれども、大方内容は同じであり、教養科目(数的処理、国語、社会とか)と専門科目(法律、経済、行政とか)の2つです。
なので、私が公務員試験の勉強をしている段階では、公務員の中でどの仕事に就きたいかを考えることなく、「受かったところに就職すればいいか」ぐらいの気持ちで勉強していました。
【一次試験(筆記試験)について】
ここでは、私が一次試験(筆記試験)に向けて、どんな勉強をし、どういったことを意識して受験したかを簡単にお話しします(私が受験したのは、約10年前なので、あくまで参考程度です)。
一次試験に向けての勉強方法ですが、とにかく過去問を解きまくったと記憶しています。
私が受講していた公務員講座では、5人程度の班を作って、その班毎で過去問を解き、間違えたところをお互いに教え合うという勉強方法をしていました。
過去問を解くのも、1人では段々とマンネリ化してきて集中力も無くなってくるかもしれませんが、複数人で一緒に解くと、競争心も湧いてきて、集中できるのではないかと思います。
また、複数人で過去問を解くことの1番のメリットは、解いてすぐ後に、教え合えるという点だと思います。解き終わってすぐに教えてもらえば、記憶に定着しますし、また誰かに教えることで、更に理解が深まると思います。
これは一次試験本番の時にも意識していたのですが、過去問を解く時に「分からない問題は、すぐ捨てる」ことを意識していました。
私は、昔から数学がとても苦手で、公務員試験の数的処理も大の苦手科目でした。
公務員試験の勉強をしている方はご存知かと思いますが、数的処理は教養科目の中でも割合が多い(私が受験したときは、3分の1程度)です。
しかしながら、私は「苦手な科目を克服するのに時間をかけるくらいなら、得意な科目をもっと得意にしよう」と思い、過去問を解く時、数的処理には極力時間をかけず、他の科目に時間を割くようにしていました。
結果として、勉強方法が自分に合っていたのか、私は国税専門官を含む複数の一次試験に合格することができました。
【二次試験(面接試験)について】
複数の一次試験に合格することができましたが、二次試験は、試験日の日程上、その中から2つしか受験することができませんでした。
その中で、なぜ私が国税専門官(税務署)を選んだかというと、「給料が他と比べて高い」ことと「研修制度が充実している」ことを公務員講座の講師から聞いていたからです。
その2点だけで、私は税務署を選んだので、税務署がどんな仕事をしているかを知らない状態で面接試験に臨みました。ちなみに私は面接試験の時に、とにかく嘘をつかない(取り繕わない)ことを意識していました。
なので、面接試験の時に、面接官から「税務署がどういう仕事をするか知っていますか」と聞かれたときに、「いえ、正直に言うと良く知りません。おそらく税金に関する何かの仕事なのだろうと思っています。」と答えたことを覚えています。
後程、税務署の仕事について紹介しますが、
税務署の仕事は、嘘を正すことであり、税務署の職員は嘘を見抜くスペシャリストです。
なので、面接試験の時に、私が取り繕うことなく正直に「どういう仕事をしているか知りません」と答えたことが良かったのかもしれません(いま思い返すと、「どういう仕事をしているかぐらい、調べてから行けよ。」と昔の自分に言いたいですが)。
【税務署の仕事】
ここからは、あまり馴染みがないであろう税務署の仕事について紹介します。
税務署では、大きく分けて2つの仕事を行っています。
それは、税務調査と税金の徴収です。
調査や徴収と聞くと「うわっ。私にはダメだ」とか、「なんか怖そう」と思われる方が多いかもしれませんが、実際の職場は、ユーモアにあふれた人達がそろっている職場です。

【税務調査】
個人事業者や会社などの法人事業者は税金の申告を行います。
税務調査とは、この申告の内容が正しいか確認することを言います。
申告を行う人は、自ら収入や経費を計算して申告を行うため、悪質な人は申告の内容を偽って、不当に税金の納付を免れようとします。
こういった場合に、税務調査によって嘘の申告を正すことで、課税の公平性を保っているのです。
【税金の徴収】
先ほど、税金の申告をお話ししましたが、税金の徴収とは、税金の申告を行った後、法律で定められた期限までに税金を納めないと財産の差し押さえなどを行います。
この話を聞くと、勝手に差し押さえをしてしまうのかと思ってしまうかもしれません。
実際は、税金が納められない理由などを聞いたりしています。ただ、中には、身勝手な理由から税金を納めない人がいるので、そういう人には、強制的に財産の差し押さえや捜索を行ったりしています。
以上が簡単ですが、税務署での仕事の内容になります。

【最後に】
ここまで読んでいただいてありがとうございます。このコラムが皆様の公務員試験に向けた勉強に少しでもお役に立てば大変幸いです。
最後になりますが、私が学生時代に勉強しておけば良かったと後悔していることをお伝えさせていただきます。
それは、デジタルに関する技術や知識です。
近年、新型コロナウイルス感染症への対応も相まって、税を含むあらゆる分野でデジタルの活用が急速に広まっています。
学生の内に、少しでもデジタルに関する知識や技術を身に着けておけば、税務署に限らずあらゆる職種で、間違いなく役に立つとお思います。
ちなみに、税務署においても、令和5年度国税専門官採用試験から「理工・デジタル系」の試験区分が新設されており、これを通じて採用した人材も含めて、データ活用を推進するための人材として研修等を通じて育成しているところです。
最後が税務署に関する広報になりましたが、これからの皆様の公務員試験に向けた勉強がより良いものになるよう陰ながら応援しています。
頑張ってください!!
就活では多少取り繕うことも必要だと思っていましたが、嘘をつかないことで人柄をみてもらうことに繋がるんだと感じました。
自分はSPIが必要になると思うため、勉強方法を参考にさせてもらいます!
素敵なコラムありがとうございました!!
最後に「デジタル」について学ぶことを勧めてくださいましたが、
具体的にはデジタルのどの分野について学ぶべきでしょうか?🤔
私はインターネットには触れている方だと思うのですが、デジタルというとピンと来ず…😳
デジタルのどのような知識が活かせるのか、ぜひ教えていただけたら嬉しいです!!
素敵なお話ありがとうございました!
『とにかく嘘をつかない(取り繕わない)ことを意識する』とても大事な考え方だなと感じました。
私も就活をしている最中なので、面接時は背伸びせずに、今の自分を見てもらおうと思いました。
相手に見抜かれるし、入社後キツくなるのは自分なので、嘘をつかないことは大事だと思いました。