今回「私の人生航海日誌」では、ベリーダンス・ヒップホップダンスのインストラクターとして岡山市を中心に活動されているNataliya(ナタリヤ)さんにお話をうかがいました。
ナタリヤさんは、黒海に面したロシア随一の保養地・ソチで生まれました。
隣国トルコにも近く、ロシア全土やヨーロッパからも観光客が訪れる保養地ということもあり、幼い頃から様々な文化と触れあう機会に恵まれていたそうです。
そんな環境の中で、感受性を磨いてきたナタリヤさんは、ごく自然にダンスに興味を持ち、3歳からバレエを始め、その後、国営のサーカス場でサーカスを習い始めます。
14歳の時、ボリショイサーカスの入団試験を受けますが、残念ながら合格ならず。
サーカス団に入ることが夢だったナタリヤさんは、一週間泣いて過ごしたそうです。
14歳というのはロシアでは8年生。日本で言うと、ちょうど中学校を卒業するタイミングでの受験でした。
ロシア全土から1500人以上が受験をして、採用されるのは20~30人という狭き門。
夢が叶わなかったナタリヤさんですが、踊ること自体をあきらめることはありませんでした。
当時、流行していたブレイクダンスを始めたり、学校で1年生から11年生まで全校生徒が一堂に会するショーのプロデュースをしたり。先生からもとても頼りにされていたそうです。
学生時代、毎週学校の体育館でディスコが開催され、周りのみんなも踊るのが大好きだったとか。スローな曲の時にこっそり電気を消して、その隙にキスしてる上級生がいたり、とても楽しかった思い出なのだそう。
その後、ダンスの事務所に入ったナタリヤさん。ちなみに、モデル事務所は身長が足りずダメだったとか。
転機が訪れたのは、17歳の時。コンサートのためソチへ来ていた有名歌手がダンサーを探しているということで、朝事務所から連絡が入り、その日のうちにオーディションを受け、夜にはステージに立っていたそうです。
そして、有名歌手にダンサーとしての実力が認められ、翌日には飛行機に乗せられ、コンサートツアーの一員としてロシア中を回ることに。映画のようなすごい体験をされている方なのです。
この時のナタリヤさんの人生初稼ぎは、びっくりする程の額だったそう。にもかかわらず、買ったのはアイスクリーム。なんとバスキンロビンスの31種類すべてを買って食べたのだそう。アイスクリーム好きなら一度はやってみたい挑戦!でしたが、全部は食べきれなかった、とのことです(笑)。
ダンサーとしての経験を積んだナタリヤさんはソチから首都モスクワへ。
そこには、今のご主人である日本人レーサーとの運命の出会いが待っていました。
大恋愛だったそうですが、結婚して日本へ行くというナタリヤさんの決断に、それまでの人生で初めて母親が反対します。サーカス団を受験した時も、ダンサーとしてロシア中を飛び回っていた時も、ずっと応援し続けてくれた母親の反対は、ナタリヤさんにとっては意外であると同時に、大好きな母親と遠く離れてしまうことを意識せざるを得ない出来事になりました。
それでも、愛する人の国・日本へ、そして、岡山へとやって来たナタリヤさん。当初は、ホームシックで毎日のように電話をかけていたそう。当時、国際電話料金がまだまだ高額だった時代。少しでも電話代を安くしようと公衆電話からかけていたそうです。
そんな風にスタートした岡山での暮らしでしたが、二人の息子にも恵まれ、育児や家事に励む日々が続いていました。
主婦としての生活が7年ほど続いたある時、友人に「エアロビクスができるよ」と話したところ、公民館での講師を頼まれ講座を開くことに。
そこから、ママ友をはじめとする周りの方々の口コミや協力で評判が広がり、2003年の、Studio N 開設に繋がっていたのだとか。
友人の多いナタリヤさん、街を歩けば友人から声をかけられない日がないほどなのだそう。自分の道を進むには、人間力をつけることも大切だと話してくださいました。
ロシアでの就活についても聞いてみました。日本とロシアの就活は似ているそうです。
これまでのロシアでの就活は、学生個人のがんばりによるところが大きかった。つまり、学生は孤軍奮闘、とても大変だったのですが、ここ数年ネットを活用した就活支援も広がってきているとか。
政府が運営する就活サイトも充実してきており、それらの情報をもとに、学生たちは面接やワークショップを受けたりと、日本の就活に近い状況があるようです。
ふたりの息子の母でもあるナタリヤさん。子育てに関して、「勉強しなさい」と言ったことが一度もないそうです。
親のやることは、見守り軽く背中を押し、いざという時には助けてあげることくらいと話すナタリヤさん。
お話をうかがったところ、ふたりの息子さんも自らの道を切り開き力強く歩んでいらっしゃるようです。
自分の道を進むために大切なことはなんですか?とお聞きしたところ、即答で「夢をもつこと!」との答えが。
いくらお金があっても、やりたくないことを毎日やっていく人生は楽しくない。
就活でも、まずは「好きなこと」を指針に進んでいけば、おのずと答えが見つかるのでは?
そして、見つけた夢をあきらめないことも大切だと話してくださいました。
そして、夢を見つけたら、積極的に口に出したり、紙に書いたりすると実現が早くなるよ。ともおっしゃっていました。
とは言え、夢を見つけるのも、叶えるのも、簡単ではないことですよね。
ナタリヤさんは、最後にアドバイスをくださいました。
「想像力を鍛えること!」「まずはたくさんの本を読むこと!」だそうです。
ナタリヤさんもロシアでの学生時代、長いお休みを利用してトルストイをはじめとして様々な本を読んでいたそう。
就活生のみなさんも、まずは、本を読むことから「夢」への道を歩み始めてみませんか?
2009年からベリーダンスのインストラクターも始めました。
現在は、岡山市、倉敷市のスタジオなどを拠点とし、
フリースタイル、ファンクジャズ、ヒップホップ、そしてベリーダンスなど
さまざまなジャンルのダンスを教えています。
2020年岡山発ベリーダンス大会を開催しました。
最近では主要ホテルでのショー開催、各地のイベントや各メディアへの出演など、
ますます精力的に活動させていただいております。
ナタリヤさんのお話を読んで、なんてドラマチックなんだろうと思い引き込まれました! 自分の好きなダンスを諦めずに続けていたら、まさかのチャンスが舞い込んできたところがすっごくかっこいいです。このチャンスを掴むことができたのは、諦めずに自分の信じる道を進んでいたからなのかなと思いました。
そんなロシア中を飛び回っていた時に、ご主人に会って、日本に来るという選択をされたのも、かっこいいなと思いました。お母様の反対を押し切って日本に来られたということで、ナタリヤさんの自分の気持ちに正直に、真っ直ぐ挑戦されるところ本当に魅力的だなと、文章を読むだけで伝わってきました。
これからたくさん本を読みます!
ナタリアさんが持つ夢への強い気持ちや挑戦する勇気があったからこそ、チャンスや出会いがあったのではないかと感じました。
自分も夢のために動かなければ!と奮起させられました。ありがとうございます。
Your life is really like a movie!! Touring around Russia dancing and then meeting your husband like fate is so cool. I love that even after you settled down with a family you still keep dancing and having fun its so inspiring
海外の就活事情を聞く機会は中々ないため、ロシアの就活が日本と似ていることに驚きでした。国に関係なく、自分の好きなことを知ることは将来を考えるために必要なことだと再認識することができました。ナタリヤさんの好きを追いかける姿勢がとても素敵で私も自分なりの好きを見つけていきたいです。
ナタリヤさんの経験から夢を持つことの大事さがよくわかりました。私には夢らしい夢はないと思っていたのですが、自分の好きなことならたくさんあります!好きなことを軸にした就活ができるよう頑張りたいと思えました。とても貴重なお話ありがとうございました。
わたしはナタリヤさんの自分の好きなことを就活できることに羨ましいと思った。