優秀なのに落ちる学生・平凡でも受かる学生
──7年間の採用活動を通じて見えてきた、たったひとつの違い
はじめまして。
株式会社ダブルツリー人事グループマネージャーの菅原と申します。
まずはコラムを見ていただいてありがとうございます。内容に移る前に、少しだけ自己紹介させていただきます。
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・年齢:30歳 (入社9年目)
・趣味:ラーメンとゴルフとサウナ。最近は7か月の娘を溺愛中です。笑
・経歴
岡山大学法学部卒業
株式会社ハヤシ(現:株式会社ダブルツリー)に総合職として入社
1年間自動車販売の営業職を経て、2年目より人事部に異動
年間1,000名近くの学生さんと関わり、面談や面接などを実施。
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採用担当としての歴が長く、自社の採用活動のみならず、就活イベントの企画や運営にも積極的に携わってきたつもりです。
そんな中で、ずっと感じてきたことがあります。
「なぜ、この学生は受かるのに、あの学生は落ちるんだろう?」
成績が良くても、話し方がうまくても、それだけでは内定にはつながらない。
逆に、最初は目立たなかった学生が、成長して内定をつかんでいく。
この7年間で見えた、「たったひとつの違い」。
今日は、そんな話をできるだけリアルに、できるだけフラットにお伝えできたらと思っています。

第1章 優秀な学生が、なぜ落ちるのか?
優秀な学生さんは、いつも本当に一生懸命です。
面接対策もばっちりで、どんな質問にもきれいに答えてくれる。深掘りしても、想定していた答えが返ってくる。正直、面接官側も「すごいな」と思う場面は多いです。
でも、ふと感じることがあります。
──あれ、この子自身の話を、あんまり聞けていないな。
どれも模範的な答えだけれど、実体験に根ざしたリアルな言葉がなかなか出てこない。だから、「この人と一緒に働くイメージ」が沸きづらくなってしまうことがあるんです。
もうひとつ、大事なポイントがあります。
それは、面接に来る目的です。
・本当にこの会社で働きたい、知りたい、と思って来ているのか。
・それとも、とにかく内定を取ることをゴールにしているのか。
この違いは、面接の雰囲気や言葉の端々から自然と伝わります。
どれだけ優秀でも、内定をゴールにしてしまうと、会社とのマッチングや、その人自身の未来がイメージしづらくなる。
結果として、優秀でも、内定につながらない──そんなケースは、実際にあります。
第2章 平凡な学生が、なぜ受かるのか?
一方で、こんな学生さんもいます。
インターンシップに参加してくれたとき、最初は大人しくて、受け答えもぎこちない。正直、第一印象は「すごく目立つタイプ」ではありませんでした。
でも、そんな彼らがイベントを重ねるごとに、どんどん変わっていったんです。
・毎回顔を出してくれて、必ず質問をしてくれる。
・フィードバックを受け止めて、次にはきちんと改善してくる。
・少しずつ、だけど確実に、自分の言葉で話せるようになっていく。
そんな姿を見たとき、「この子はすごく成長しているな」って、自然と思いました。
最終的に内定を勝ち取ったのは、そんな学生さんたちでした。
・うまく話せるかどうかより、
・自分と向き合う時間を持っているか。
・自社への志望度を、少しずつ高めてきているか。
その積み重ねが、面接の場でちゃんと伝わっていたんです。
そして僕自身、採用担当をしていて思うのは、「学生の力になりたい」と本気で思っている採用担当者は本当に多いということ。
だからこそ、もっと早い段階から、もっと気軽に、僕たちを頼ってくれていいと思っています。
成長のきっかけって、案外そんな小さなところに転がっているから。
第3章 優秀かどうかより、大切な「たったひとつの違い」
では、結局、何が違いを生んでいるのか?
それはやはり、「自分の言葉で、自分を語れるかどうか」です。
きれいに話すことじゃない。正しい答えを覚えることでもない。
「自分はこう考えた」「こんな経験をして、こう思った」。そんな、自分自身のリアルな言葉を、飾らずに届けられるかどうか。
それが、面接の場では何よりも大きな力になります。
でも、そんなに簡単に「自分の言葉」は見つからない。だからこそ、
・自己分析をする。
・企業のことを知ろうとする。
・誰かと話しながら、自分の想いを整理していく。
このプロセスが、とても大事だと思います。
もし悩んだら、ぜひ僕たち採用担当も頼ってください。
一緒に話す中で、自分でも気づかなかった想いに出会えるかもしれない。
僕はそう信じています。

第4章 「偶然」を大切にできる人が、キャリアを切り開く
ここまで読んでくれて、本当にありがとうございます。
就活って、頑張れば頑張るほど、「どの会社に行くのが正解なんだろう」と悩んでしまうことがあると思います。
でも、僕は思うんです。キャリアに正解はない、って。
僕自身、営業職で入社しました。車を売って、成果を上げたい。そんな想いで社会人をスタートしました。
でも、2年目に突然、人事に異動になりました。
正直、最初は戸惑いました。やりたかった仕事ではないし、どう受け止めたらいいかも分からなかった。
でも、そこから8年間、採用担当として多くの学生と出会い、自分自身もたくさんの学びを得て、今では心から「この道に来てよかった」と思っています。
キャリアって、必ずしも思い通りにいくわけじゃない。でも、だからこそ、
・偶然を受け入れる強さ、
・出会った人たちとの縁を大事にする気持ち、
が未来をとても豊かにしてくれるんだと思います。
だから、就活も同じです。
情報や条件だけで選びすぎず、最後は、
・その場の直感
・関わってくれた人たちとの出会い
・そのときの自分の気持ち
そんなものを大切にして、会社を選んでみてほしい。
その選択が、きっとあなたらしいキャリアを作っていくはずです。
応援しています。そして、もしどこかで出会えたら、ぜひ一緒に話しましょう。