皆さん、はじめまして。島根大学大学院の上野颯希と申します。
建築デザイン学コースに所属し、都市計画を専攻しています。春からは、鉄道系のディベロッパーに入社予定です。

さて、建築業界の就職活動は年々早期化しています。学部生であれば3年次、院生であれば修士1年の12月頃には内定を得て就活を終える人も珍しくありません。
そんな中、私は修士2年の6月という、いわば遅めのタイミングで就活を終えました。
だからこそ、これから就活を始める皆さんに、ひとつ伝えたいことがあります。
「就活は、とにかくマイペースに。」
とはいえ、ただのんびりすればいい、という意味ではありません笑
就活では情報収集が不可欠です。ですが、情報を集めれば集めるほど、周囲の内定の早さや、企業の締切りの早さに焦りを感じてしまうものです。
でも、そんなときこそ立ち止まってほしい。
自分が本当に興味を持っていることは何か。
どんな仕事をして、どんな経験をしたいのか。
それが叶う場所はどこなのか。
何度でも自分に問いかけてください。
そして同時に、「今しかできないこと」に全力で向き合ってほしい。
その思いを、私は「マイペース」という言葉に込めています。
振り返ると、私の学生生活は、周りとは少し違うリズムで進んでいました。
修士1年の夏、同級生たちがインターンに励む中、私はキックボクシングの大会出場に向けて練習に没頭していました。
秋から冬にかけて、周囲が早期内定に向けて動き出す中、私は後輩たちと古民家改修プロジェクトに取り組んでいました。




そして、2月。
多くの同級生が内定を手にしている中、私は島根県内を旅し、思い切り春休みを満喫していました。
そして、2月末。
ようやく、エントリーシートを書き始めました。
かなり時差のあるスタートです。
「今しかできないことを優先する」
「やらずに後悔するくらいなら、やって学ぶ」
そう決めて動いてきた私も、さすがにこの頃には、少しずつ焦りを感じ始めていました。
「とにかく、内定がほしい。」
その一心で、第一志望だった鉄道系ディベロッパーにこだわらず、都市計画系の企業を中心に、10社弱へ一気にエントリーしました。
そして迎えた、初めての面接。
それは、自分の志向とは少しずれのある大手マンション開発企業でした。
面接では、学生時代の成果をプレゼンする機会がありました。
これまで発表で評価を受けてきたこともあり、私はある程度の自信を持って臨んでいました。
しかし、発表の途中で、面接官の一人が、居眠りを始めたのです。
圧迫されるよりも、ずっとショックでした。
同時に、強い悔しさと屈辱を感じました。
けれど今思えば、それは当然の結果だったのかもしれません。
その企業に対する自分の熱意の薄さ。
「どこでもいいから内定を」という浅い覚悟。
そうしたものが、すべて見抜かれていたのだと思います。
結果は、不採用でした。
その後も、「絶対に行きたいわけではないけれど、内定がもらえたら…」という温度感で受けた企業は、すべてご縁がありませんでした。
そこで、私は考え方を大きく変えます。
「本気で行きたいと思える企業だけに絞ろう。」
たとえリスクがあっても、自分の気持ちに正直でいたい。
そう決めて、選考が進んでいた企業を整理し、内定をもらっていた1社も辞退しました。
最終的に残ったのは、2社の鉄道系ディベロッパー。
どちらも、心から行きたいと思える企業でした。
その時点で、5月。
周囲はすでに就活を終え、修士論文や資格勉強に集中していました。
でも、不思議と焦りはありませんでした。
私はひたすら、自分と向き合う時間を取りました。
なぜディベロッパーなのか。
そもそもディベロッパーとは何か、本当に理解できているのか。
なぜ鉄道系で街づくりがしたいのか。
この会社で、自分の目標は実現できるのか。
ノートに何度も書き出し、考えを整理し続けました。
その過程で、自分の中に一本の軸が通っていく感覚がありました。
迎えた面接当日。
不思議なことに、緊張よりも「伝えたい」という気持ちのほうが強くなっていました。
質問には、詰まることなく答えることができました。
むしろ、対話そのものを楽しんでいる自分がいました。
面接官の方々が身を乗り出して話を聞いてくださっていたのを、今でもよく覚えています。
そして結果は、両社からの内定。
評価されたのは、考えの一貫性と、言葉の説得力でした。
最後は本当に悩みましたが、
自分のやりたいことがより広いスケールで実現できる環境だと感じ、
最終的に入社する会社を決めました。
振り返ると、あのとき。
周囲に合わせるのをやめて、自分のペースで、自分と向き合うと決めた瞬間こそが、
私にとっての大きなターニングポイントだったのだと思います。

こうして、2月末に始まった私の就活は、6月初旬に幕を閉じました。
約3か月。短いようで、非常に濃い時間でした。
始める前は正直、少し面倒に感じていましたが、
実際には多くの出会いと発見があり、
何より、自分自身を深く知ることができた時間でした。
就活の進め方に、正解はありません。
長期間コツコツ取り組む人もいれば、
私のように短期間で駆け抜ける人もいます。
ただ一つ大切なのは、
自分なりの「マイペース」を見つけ、それを貫くこと。
だから、もう一度伝えます。
「就活は、とにかくマイペースに。」
最後に。
社会人の方々がよく言うように、
学生の今しかできないことは、確実に存在します。
それを、どうか後悔のないようにやりきってください。
私は、就活のスタートこそ遅れましたが、
その分やりたいことに全力で向き合ったからこそ、
出会えた人や経験がありました。
そしてそれらすべてが、
面接で語れる「自分だけの強み」になりました。
あのとき、自分の「やりたい」を無視しなくて、本当に良かったと思っています。
ぜひ皆さんも、少しでも興味を持ったことには、迷わず挑戦してみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
皆さんの就活が、実りあるものになることを心から願っています。